頭顔部の負傷打撲

交通事故では、頭部や顔面を負傷することがあります。

人体にとってとても重要な部位ですから、頭部や顔面の負傷は、後遺症の心配をかかえることになります。

そこで今回は、頭顔部を負傷した場合の治療で、気を付けるポイントや後遺症について解説いたします。

脳へのダメージで起きる高次脳機能障害

交通事故で、脳に大きなダメージが加わった場合、高次脳機能障害が生じる場合があります。

高次脳機能障害とは?

交通事故での頭部外傷だけでなく、様々な原因で脳が損傷された場合に起こる後遺症です。

特徴としては、以前とは人格が変わってしまったように感じられたり、怒りっぽくなったりすることが挙げられます。

脳の後遺症ですので、外見からの判断はつきませんが、本人の日常生活の質は著しく低下し、家族といった周りの人たちへの影響も深刻です。

したがって、このような異変を周囲の人が感じた場合は、なるべく速やかに専門医の診断を受けることが望ましいです。

その上で、高次脳機能障害による後遺障害等級認定を目指すこととなります。

さらに具体的な症状を見ていきましょう

記憶障害

記憶障害が生じると、ほんの数分前のことを忘れてしまいます。また、物を覚えられない場合もあります。

したがって、買い物と行った日常の行動にも不便を生じますし、家族ともコミュニケーションにも行き違いが生じ、家族が疲弊することになります。

当然、本人もとても困り感をかかえることになります。

失語症

言葉の能力に影響が出る場合があります。聞くこと、話すこと、読むことすべてに困難が生じます。

したがって、失語症になると、適切な言葉が思い出せなくなり、うまく話すことができなくなったりします。

これは、言葉が出てこない失声症とは違います。また、判断能力には問題がありませんので、認知症とも異なります。

ただ、いずれにせよご本人は大変な困難を感じることになります。

注意障害

注意力にも影響が出ます。注意力が低下しますので、ミスが多発します。

また、同時に2つのことを行うことができなくなります。

注意力が低下すると、日常生活では、台所の日の消し忘れ等につながり、場合によっては大きな事故の引き金となります。

したがって、見過ごすことのできない障害と言えます。

社会的行動障害

社会行動障害とは、対人的な関係において困ったことが起こる障害です。

怒りっぽくなり、暴力的になったり、気に入らないことがあると大声を出したりします。

それにより、対人関係がうまくいかなくなり社会生活を送るうえで困難が生じます。

また、自分の体を傷つける自傷行為をしてしまう人もいます。

遂行機能障害

この障害が起きると、計画性を持って物事を進めることができなくなります。

そのため、約束を守ることがしばしば困難になることがあります。したがって、周囲のサポートが必要となります。

注意すべきポイント

身近な家族としては、交通事故で受傷した後、本人に上記のような変化が出てはいないか、注意深く見守りましょう。

以前と様子が違うということは、一緒に暮らしている家族といった身近な人でないとなかなかわかりにくいものです。

気になる点がある場合は、速やかに主治医に相談するようにしましょう。高次脳機能障害の発見には、家族の協力が不可欠です。

高次脳機能障害と認定されるためには

高次脳機能障害と認められるには、いくつかの条件をクリアする必要があります。

脳に対する大きなダメージが存在した

高次脳機能障害は、脳に大きなダメージが加わったことにより発症するわけですから、それが存在したことを証明しなければなりません。

交通事故にあっても、頭部や顔面に衝撃を受けていなければ、高次脳機能障害とは認定されないことになります。

ただ、頭部でなくても、顔面に大きな衝撃が加わった場合は、脳へダメージが及んでいる場合があります。

脳へのダメージを画像等で確認することができる

例として、頭蓋骨骨折を撮影したレントゲン写真といった頭部へのダメージを証明する客観的な資料があれば、より高次脳機能障害の認定が得られやすくなるでしょう。

意識障害があった

交通事故後に意識障害があれば、高次脳機能障害が認められやすくなります。

反対に、意識障害がなければ、高次脳機能は起きていないと考えられます。

高次脳機能障害となった時に直面する問題

高次脳機能障害は、静かな障害とも呼ばれ、一見してはその障害の存在が分かりにくいものです。したがって、他の後遺障害と異なる問題が発生する場合があります。

適切な診断・治療ができる専門医が少ない

現状では、高次脳機能障害の専門医は少ないのが現状です。

したがって、場合によっては、医療機関で見過ごされてしまう恐れがあります。

そうなった場合、ご本人は適切な治療が受けられずに苦しむことになりますし、後遺障害等級申請の場面においても、適切な診断書等が得られない恐れが生じます。

適切な後遺障害等級認定を得るのが難しい

専門医の不足は、後遺障害等級認定の場面でも影響を及ぼします。

医師が高次脳機能障害を深く理解していなければ、そのことは、診断書にきちんと反映されないことになります。

そうしますと、自賠責保険の方でも障害の程度が軽く見積もられてしまうことになります。

したがって、適切な主治医選びが大切になってきます。

早い段階で弁護士事務所へ相談を

頭部を強く打って高次脳機能障害が疑われる場合は、それを医師に伝えるとともに、なるべく早く交通事故問題に強い弁護士に相談しておくことが大切となります。

なぜなら交通事故の後遺障害認定は、立証の積み重ねだからです。

したがって、事故直後から確実に証拠を積み重ねるために適切な行動をすることが必要となります。

弁護士はそのためのアドバイスを行い、適切な等級獲得に尽力してくれるのです。

まず一度、弁護士へのご相談をおすすめいたします。