交通事故後はすぐに警察を呼ぼう!

交通事故に遭った際、警察に届けておかないと保険が使えない場合があります。

しかし、気が動転していたり、大ごとにしたくないという気持ちから警察への届け出をしないことがあります。

ここでは、交通事故に遭った時に、まず手始めにしなければいけない当事者の義務や警察への届け出と保険の関係、後日警察へ届け出をした場合はどうなるかについて解説いたします。

ケガ人の救護と110番は義務です

交通事故に遭った時に、まずしなければならないことはケガ人の救護です。ケガの程度によっては、救急車を呼ぶ必要が出てくるでしょう。これを救護義務と言います。

また、救護義務は加害者だけにあるわけではありません。加害者がけがをしていれば、被害者が119番通報をする場合もあります。

とにかくまず取り掛からなければならないのは人命救助です。

その他、後続車の衝突といった二次的な事故を避けるための三角板の設置や、飛散した物品の撤去なども大切なことになります。これを危険防止措置義務と言います。

警察への届け出も義務です

ケガ人の救護の次にしなければならないことは、警察への届け出です。具体的には110番通報をすることになります。これを通報義務と言います。

警察へ届け出をすることで、交通事故が起きたことが公的に証明されるわけです。

具体的には、「交通事故証明書」の発行を受けられることになります。

もし、警察への届け出をしなければ、警察に交通事故の記録が残りませんから、今後しなければならない保険金請求等に影響してくるわけです。

それを知らずに警察への届け出をしないケースが多々あります。

警察へ届け出をしない例としては、

(1)軽微な事故だからということで、その場での話し合いで済ませる。

(2)加害者に違反点数が増えると困るので、警察への届け出をしないでほしいと頼まれる。

(3)急いでいるからという理由で、その場での話し合いで済ませる。

(4)加害者が無免許であったり、免許停止中であったりするため、警察への届け出をしないでほしいと頼まれる。

以上のようなケースが考えられます。

警察への届け出をしないとどうなるのでしょうか

加害者に警察への届け出をしないでほしいと頼まれたり、警察の実況見分に時間をとられるのが面倒だといった理由で、届け出をしないでおくとあとあと困ったことになります。

その時は、ケガをしていないと自己判断したり、たいしたことがないと思っても、あとから痛みが出てくることもあります。

そういった場合に、加害者に頼まれるままに警察への届け出をしていない場合は、ケガの治療のための保険金を受け取ることができなくなってしまいます。

つまり保険が使えないのです。

なぜなら、保険会社への保険金の請求には「交通事故証明書」を添えることが必要になりますが、それが発行されないからです。

このように、警察への届け出は、違反点数といった行政処分や刑事罰といった刑事処分に関係しているだけではありません。

被害者にとっても賠償を受けることにつながっているのです。

では、加害者に対して治療費や慰謝料を請求して払ってもらおうとしても回収するのは困難でしょう。

なぜなら、交通事故での賠償額というのは高額になることが多々あり、一般人がすんなりと払える金額ではないからです。

そういった事態が容易に想定されるために、自動車保険制度が整えられているのです。

したがって、加害者に頼み込まれたとしても警察への届け出はしておかなければなりません。

後日、警察へ届けた場合はどうなるのでしょうか

警察のへの届け出の重要性に気づき、後日警察へ届け出た場合はどうなるのでしょうか。

被害者一人で警察署へ出向く場合は難しいでしょうが、加害者と二人で警察者へ出向くならば、交通事故の受付をしてもらえる場合があります。

しかし、事故直後に警察への届け出を渋った加害者が、後日になって届け出を了承することは可能性として低いです。

加害者にとっては、交通事故は存在しなかった方が都合がいいからです。

また、時間が経てばたつほど、交通事故の証拠もなくなっていきますし、あとから目撃者を探すことも難しくなってきます。

被害者と加害者の言い分も食い違ってくる可能性があります。

さらに何より、法律で定められた通報義務を怠ったということも明らかになってしまいます。

そのため、どうしても事故直後の通報ができなかった理由があると警察に認めてもらえない場合は受け付けてもらえないでしょう。

交通事故証明書が手に入らない場合の対応

交通事故証明書とは、その事故が実際に発生したということや、どういった事故であったかということを証明するものです。

これがどうして保険金の請求に必要かといいますと、保険会社としては保険金の詐取を防がなければならないからです。

そのため、保険会社としては、一番証明する力がある公的な証拠として保険金の請求には交通事故証明書の提出を求めています。

このことは、交通事故当事者以外の第三者により、交通事故が起きたことを証明できるならば、交通事故証明書がなくても保険金の請求は可能になる場合があるということを示唆しているとも言えるでしょう。

その場合は、「事故証明入手不能理由書」を保険会社に提出することになります。

但し、これを認めるかどうかは、あくまで保険会社の判断にゆだねられます。

以上述べてきたように、交通事故の届け出は被害者と加害者の間での話し合いで、したりしなかったりということが許されるものではなく、車を運転するものに課せられた法律上の義務になっています。

この義務を怠った場合は、被害者であるのに損害賠償を受けられない恐れが出てきます。

そうなった場合に非常に困るのは被害者の方です。

困った事態に陥らないためにも警察への届け出は必ず行うようにしましょう。

また、どうしてもその場での通報ができなかったため、交通事故証明書が入手できずお困りの場合は、あきらめてしまわれずに交通事故問題に強い弁護士に相談なさるのも有効な方法です。

きっと力になってくれるでしょう。