交通事故に遭遇した時に、事故の相手が未成年かつ無免許であった場合などは、きちんとした賠償は受けられないのでは?と心配になる方もいらっしゃるでしょう。

加害者が未成年だからと言って、金銭賠償を受けられないわけではありません。

そこで今回は、加害者が未成年で無免許であった場合の慰謝料について解説いたします。

無免許運転は相手方の大きな落ち度となります

交通事故の相手方が無免許であった場合、損害賠償の交渉の場面では相手方の過失割合が大きいとされることがあります。

相手方の過失が大きいということは、こちら側が有利ということになり、損害賠償額の増額が見込めるということになります。

なお、無免許と免許証不携帯は異なりますので、混同しないようにしましょう。

無免許であれば、刑事罰が科せられます。法定刑としては、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられます。

自賠責保険等の自動車保険については、運転者が無免許運転であっても、保険金の支払い対象になりますので、加害者が保険に加入していれば被害者は安心して保険金の支払いを受けることができます。

但し、保険会社の担当者が、保険金の減額を交渉してくること会考えられますので、そういった場合は、お一人で交渉を進めることに限界を感じられたら、速やかに交通事故問題に詳しい弁護士に相談なさることをおすすめいたします。

なお、無免許運転であっても、交通事故によりケガをした場合は、補償を求めることは可能です。

法律に触れることをしたからと言って、賠償を求める権利がすべて制限されるわけではありあません。その点は理解しておきましょう。

未成年者は責任能力があるのか

交通事故の相手方が未成年だった場合、たいした資力を持たない本人よりも相手の親に損害賠償はできないかと考える方もいるでしょう。

たしかに、加害者が未成年の場合は、いつまでも本人と交渉するよりも、成人である親と交渉した方が、こちら側が納得のいく金額で交渉を進めることができるのではと思います。

また、実際に、代理人とまでは言わなくても、加害者の親ということで交渉の場面に出てくるケースもあるかとおもいます。

しかし、損害賠償の責任を負うのはだれかという問題において、交通事故の場合、未成年であっても、免許を有する年頃の未成年であれば、責任能力ありということで、未成年自身が賠償責任を負うことになっています。

民法で責任能力がないとしているのは、小学生である12歳前後以下の子供としています。

免許取得可能な年齢の子供は、自分の起こした事故の責任は自分で負わなければなりません。

つまり、損害賠償の相手方は、未成年者自身になります。

実際に民法の条文をご紹介いたします。

【民法712条】

未成年者は,他人に損害を加えた場合において,自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは,その行為について賠償の責任を負わない。

相手の親に損害賠償を請求する

ただし、現実問題として、未成年者による交通事故に巻き込まれた場合、その未成年者が責任能力者かどうかということは実は本当の問題点ではありません。

本当の問題点は、再三申し上げているように、被害者が実際に賠償を受けられるかどうかということです。

賠償するだけの資力のある者に請求することができるかということです。

そして、この問題については、ケースによっては、親に補償を求めることができる場合があるということができます。

まずは、親が「運行供用者」にあたる場合です。

この場合は、運行供用者責任を追及することができます。これは、自動車損害賠償保障法3条によって定められています。

親に運行供用者責任を追及することができる場合

親が運行供用者に当たる場合は,運行供用者として親に損害賠償を請求できます。

具体的には、親が当該車両を買い与えた場合や、親と共有して車を使用している場合、ガソリン代や保険料といった維持費を親が負担している場合などが挙げられます。

こういった場合は、資力に乏しい未成年者本人だけでなく、親に対しても損害賠償の請求ができます。

未成年者との交通事故の示談は、成人と違い、親や兄弟といった近親者と交渉するケースもかなりあります。

したがって、そういった関係者との交渉も大切になってくるのが未成年者との示談の注意点と言えます。

使用者責任を追及する

交通事故の損害賠償請求の場合、使用者責任というものも追及することが可能です。

例えば、交通事故の加害者である未成年が誰かに雇われており、その仕事中での事故で遭った場合は、使用者は、その事業の執行について被用者が不法行為をした場合、その損害賠償責任を負担するとされています。

これを使用者責任といいます(民法715条)。

監督義務者としての責任を追及する

未成年者の場合であって、責任無能力者の場合、監督義務者への責任追及が可能です。

これは、責任無能力者とされた幼い子供の起こした事故であれば、誰に対しても責任追及ができないとなると被害者の保護に欠けるからです。

ただ、未成年の場合は、責任能力があろうがなかろうが、資力を持たないのが通常と言えます。

それなのに、ある一定の年齢で、監督義務者である親への損害賠償請求ができないとするのは、公平とは言えないでしょう。

したがって、責任無能力者とは言えない年齢であっても、親が相当の監督する手入れ歯事故の発生を防げたケースや、事故の発生の可能性が高かったのに、親が監督を怠ったと言えるケースでは、親に監督義務者としての責任を追及できる可能性があります。

こういったケースは、裁判で争うことになるでしょうから、まずは弁護士へ相談なさることをおすすめいたします。

相手方が、無免許や未成年の場合の事故で納得がいかないことがあったら

通常の交通事故ですら、被害者はかなり消耗します。

さらに、無免許の未成年相手の示談交渉はかなり難しい問題が山積していると言えます。

そういった場合も、投げやりになることなく、またあきらめてしまわずに、まずは一度、交通事故問題に詳しい弁護士に相談なさることをおすすめいたします。

広告