後遺障害

交通事故に遭遇してケガをしてしまった場合、完治すればいいのですが、後遺障害が残る場合もあります。

後遺障害が残った場合は、選択肢としては、適切な後遺障害等級を認定してもらい、それに応じた慰謝料を受け取ることを目指すのが今後のためにも望ましいでしょう。

そこで今回は、後遺障害慰謝料を得るためにクリアすべき問題について解説いたします。

病院への通院が必要です

ケガをした段階での診察は必須です

後遺障害の認定を受けるための大前提として、病院へ通院して診断を受けていることが大前提です。

まず、交通事故で受傷した段階で、病院での診察を受けておかなければなりません。

これが欠けていると、ケガをしたことと交通事故の因果関係を証明するための診断書を入手することができません。

交通事故によるケガであるということが証明されないと、いくらケガをしていることが事実であっても交通事故の相手方からの補償は受けられないのです。

そのための診断書を書くことができるのは、診察をした医師ということになります。

整骨院の院長や、本人の自己申告では認められませんから注意しなければなりません。

症状固定の判断も医師が行います

後遺障害認定の第一歩は、症状固定です。

症状固定とは、簡単に言うとこれ以上治療を続けても、これ以上よくなる見込みがないという段階をいいます。初診から6か月以上経過していることが目安となります。

そしてこれを判断するのは、診察を続けてきた医師になります。保険会社の担当者でも、ケガをしたご本人でもありません。

したがって、初診時だけでなく、継続して医師の診察を受けており、そのうえで症状固定の判断を下してもらうのが、次のステップということになります。

途中で通院をやめないことが大切です

症状固定を判断できるのは、事故から半年が経過した時点からです。

一方、保険会社によっては、事故から3,4か月を経過した時点で治療費の支払いの打ち切りを言ってくる場合があります。

それを受けて通院をやめてしまうと、残っている症状が、交通事故によるケガの後遺症であるとの証明が難しくなり、後遺障害認定を受けることが難しくなります。

後遺障害の申請をするためには、医療機関へ半年以上通院をしていたうえで、4週間以上の通院の中断を作っていないことが条件となります。

なお、後遺症と後遺障害は、同じものと考えてよいでしょう。

交通事故の賠償の場面では後遺症のうち、後遺障害認定を受けたものを後遺障害と言っています。

後遺障害認定の申請をするまでに押さえておくべきこと

申請を行う前の準備としては、交通事故で受傷した時点から医療機関を受診すること。

さらに、半年以上、継続して通院し続けておくこと。そのうえで主治医に症状固定の判断をしてもらうことが大切となります。

後遺障害慰謝料請求の手続には2つあります

後遺障害慰謝料を受け取るには、後遺障害等級の認定を受ける必要があります。

そして、後遺障害認定を受けるためには、二つの方法があります。被害者請求と呼ばれる方法と、加害者請求と呼ばれる方法です。

これらを順に解説していきます。

後遺障害認定における被害者請求

後遺障害に対する認定と補償を受け取る方法として、自賠責保険への被害者請求というものがあります。

被害者請求とは

被害者という言葉についてですが、自賠責保険では、交通事故によりケガをした人のことを被害者といいます。

保険というのは、相手方に対して賠償責任を負った時に、その責任を果たすために自分が入っている保険へ保険金の支払い請求を行います。

つまり、保険会社への支払いを請求できるのは、その保険に加入している人になります。

この請求を被害者が直接行うことが被害者請求ということになります。

自賠責保険では、被害者保護のために被害者請求が認められているのです。

自賠責法第16条に定められているので、「16条請求」と呼んだり、被害者が直接請求するので「直接請求」と呼んだりもします。

被害者請求ができる人

被害者請求を行うことができる人は、被害者本人、被害者の親権者、被害者の遺族、被害者から委任された人になります。

任意保険の担当者は、被害者請求はできません。

したがって、ご本人が手続をすすめていくわけですが、後遺障害認定請求は、なかなか難しい手続きです。

実際には、後遺障害認定に強い専門家である弁護士に委任して進めていくのがよいでしょう。

請求権には時効があります

自賠責保険の請求には時効があります。基本的には3年間となっており、後遺障害の場合は、症状固定の診断を受けた日の翌日から3年間となります。

時効を経過してしまうと、請求権を失ってしまいますので、後遺障害認定をお考えの場合は、早めに行動に移すことが大切です。

加害者請求とは

加害者請求とは、加害者側から自賠責保険に手続きを申請することです。

具体的には、被害者は加害者が加入している任意保険の担当者とやり取りし、任意保険会社が手続きを進めることになります。

しかし、適切な後遺障害の認定を勝ち取り、補償を受けるためには、加害者請求という他人任せでは難しいと言うことができます。

加害者としては、後遺障害認定が下りれば、賠償額が増えるわけですから、被害者が後遺障害認定を勝ち取れるように積極的に動くわけではないということは推察できます。

後遺障害については、被害者本人が積極的に動かなければ、適切な等級認定には至らないものなのです。

そうすると、加害者の任意保険会社に働きかけるより、直接、自賠責保険に申請を行う方が、その過程がご自身で把握できることになりすっきりすると言えます。

任意保険会社の担当者とやり取りをしていて納得がいかないのであれば、速やかに被害者請求に切り替えるのがよいでしょう。

被害者請求を行うには

被害者請求を行うには、まず、なるべく早めに弁護士に相談に行きましょう。

弁護士との協力関係が大事です

交通事故から3か月を経過した頃、つまり、任意保険会社から治療の打ち切りを告げられる頃までには相談に行かれるとよいでしょう。

弁護士に委任をした後は、弁護士が申請に必要な証拠や、申請書をとりそろえてくれます。

自賠責保険に申請を行い、適切な後遺障害等級が認定されたら、自賠責保険から自賠責保険の分の保険金を受け取りましょう。

さらに、任意保険に対しても、自賠責保険基準よりさらに高額な弁護士基準による後遺障害慰謝料を勝ち取れるように示談交渉を行いましょう。

この示談交渉も弁護士に一任する方がより高額な慰謝料を獲得することができるでしょう。

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