交通事故に遭遇して、ケガが大したことないな、病院に行かなくても大丈夫かな思えるようなケースは、不幸中の幸いと言えるでしょう。
あとから痛みが出てきたりしてやはり通院が必要であったというケースは少なくないのです。
そうなったとしても、後日では交通事故があったことが立証できなかったり、そもそも加害者が誰であるか、加害者の名前や連絡先すらわからないといったことが起こりやすいのも、ケガが軽傷のケースに多いのです。
そこで今回は、ケガが軽傷と思われるときに注意するべき点について解説いたします。
目次
どんな交通事故でも警察への届け出は必須です
警察への届け出は義務です
交通事故に遭遇した時、警察へ届け出をしなければならないということを知っている方は多いと思います。
ただ、幸いにも軽症であった場合やけがをしていないように見える場合は、加害者への遠慮や大ごとにしなくてもという心理が働いて、警察への届け出をしない方がいらっしゃいます。
ただ、加害車両の運転者にとっては通報は義務であり、被害者にとってもデメリットが多いのです。
交通事故に遭遇した時にすべきことリスト
交通事故の場で、すべきことリストをまとめました。
①加害者を呼び止める
②警察に110番する
③相手の連絡先を聞く
④事故現場の通行の安全を図る
⑤病院で診察を受ける
以下で、①から④について詳しく説明いたします。⑤については項目を新たにして詳述します。
加害者を呼び止める
まずは、加害者を呼び止めてください。相手方が車から降りてくればいいのですが、車から降りようとしなかったりそのまま行ってしまう場合もあります。
その場合は、ひき逃げになります。これは罪を重ねることにつながりますから絶対にしてはなりません。
加害者が逃げてしまった場合は、車のナンバーを覚えておきましょう。
それも失念してしまった場合は、車の車種や色などを覚えておき警察に伝えましょう。
警察に110番する
警察へ110番は必ずしなければなりません。自分の方が急いでいたり、相手方から110番しないよう頼まれたりして躊躇することもあるでしょうが必ず通報しましょう。
通報をしなくて、あとからケガや車や物品の破損が思ったより生じていて、きちんと賠償を受けたいと思っていても困ることになります。
なぜなら事故の公式な記録が残っていませんから、交通事故の存在を証明することが難しいのです。
さらに、あとになればなるほど、加害者の協力を得ることは困難になります。
被害者側にとってもそういったデメリットがあります。したがって、相手に泣きつかれたとしてもシビアに対処しましょう。
相手の連絡先を聞く
加害者被害者双方の連絡先をしっかりと確認しましょう。
基本的には、免許証で確認させてもらいましょう。さらに名刺等をもらっておくと確実でしょう。もしも、教えてもらえない場合は、車のナンバーを控えておきましょう。
事故現場の通行の安全を図る
交通事故現場での二次災害を防ぐために、ハザードランプを点滅させたり、道路の痛コツを邪魔している障害物を取り除いたりといった防止措置を行いましょう。
ただし、事故を起こした車については、後日のトラブルを避けるため、警察が来るまでそのままにしておいた方がよいでしょう。
どんなに軽傷でも病院での診察は必須です
あとから痛みが出てくる場合もあります
交通事故でのケガが軽傷だと思われる場合は、痛みを感じないためそう判断なさる方も多いものです。
しかし、ケガが軽いから痛みがないのではなく、一種の興奮した精神状態だから痛みを自覚していないということがよくあるのです。
交通事故に遭遇したら、誰しも精神的な緊張状態になるものです。
そういった場合は、しばらくしてから痛みを自覚したり、ご自分がケガをしていることに気づいたりするものなのです。
したがって、痛みがないからケガをしていない、ケガをしていないから病院に行かなくてもいいと安易に考えず、交通事故に遭遇したら必ず一度は病院での診察を受けてください。
後日だと因果関係の証明が難しくなります
軽傷やケガがないと見えても病院での診察が必要なもう一つの理由は、時間が経てばたつほど、交通事故とケガの因果関係の証明が難しくなるからです。
もちろん、ケガの治療は早めに行うんこしたことはないのですが、あとから症状が出てから病院に行っても、お医者さんはきちんと治療をしてくださるでしょう。
ただ、交通事故と病院での初診の間に時間が空き過ぎると、交通事故でのケガであるという証明が難しくなってくるのです。交通事故によってけがをしたということを因果関係と言います。
その因果関係の証明が難しくなるのです。
したがって、ケガが軽傷であるため自覚症状がなくても、事故から速やかに病院での診察を受けたという事実を作っておくことが必要なのです。
医師の診断書は、大切な証拠となりますが、診察をしていない患者の診断書を書いてくれないのは当然のことです。
また、痛みが出てきたのでマッサージ等に通う方もおられますが、交通事故のケガの証明は医師の診断書が必要です。順番としては、まずは、病院に行ってからということを心にとめておいてください。
示談交渉では弁護士の協力が必須です
ケガの治療が済んだら示談交渉に入ります
交通事故当初の対応としては、上記に述べてきたことに気を付ければ大丈夫でしょう。ケガの治療が済んでから、気持ちも落ち着いたところで相手方と示談交渉に入りましょう。
示談交渉を進める際は、弁護士に一度相談に行かれるとよいでしょう。
当初はケガもないと思っていたけれど、だんだんと痛みが出てきて、むち打ちと診断される方は少なくないものです。むち打ちは、自覚症状が主ですから、痛みに悩んでいるのに、きちんとした賠償を受けることができずに苦しんでいる方は少なくないのです。
そういった方こそ、弁護士に相談することにより適切な後遺障害認定を勝ち取り、更に納得がいく慰謝料の受け取りも可能となります。
ぜひ、弁護士へ一度ご相談ください。きっと力になってくれることでしょう。
広告