自宅療養
交通事故でケガをした場合、自宅での療養を希望される方もいらっしゃると思います。

また、様々な事情により、退院を余儀なくされて自宅療養を選択せざるを得ない場合もあります。

そこで今回は、自宅療養をしても慰謝料は受け取ることができるのかという疑問について解説いたします。

交通事故における慰謝料とは

交通事故における損害賠償に関するお金のことを慰謝料と言ったり、示談金と言ったりします。さてどれが正しいのでしょうか?

慰謝料とは、生命や身体・財産等を侵害されたときに受けた精神的苦痛に対する賠償金です。

交通事故の場合は、人体への損害会発生した時に認められます。例として、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料があります。

なお、慰謝料は、一般的には、財産への侵害があった時も認められることがありますが、交通事故においては、車が破損したというような物損についての慰謝料は認められていませんので、その点は注意が必要です。

一方、示談金とは示談交渉によって手にすることができた金銭のことを言います。

交通事故における損害賠償の交渉の9割以上は、示談によって解決していると言われています。

したがって、交通事故における損害賠償金のことを示談金と呼ぶことはよくあります。

自宅療養の費用は、どういった慰謝料にあたるのでしょうか?

それでは、自宅療養をした場合は、どういった名目での請求ができるのでしょうか?

まずは、入通院慰謝料の獲得を目指してみましょう。入通院慰謝料は、原則としては、入通院期間に従って算定されることになります。

また、算定の基準は、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準とあり、それぞれが異なった金額設定となっています。

一番高いのは、弁護士基準となっています。

入院期間、通院期間はどうやって計算するの?

入通院慰謝料をわかるためには、まず入通院期間の考え方を押さえておきましょう。まず、入院期間は、実際に入院していた期間をいいます。

次に、通院期間は、実際に通院していた期間をいいます。

但し、例外として、通院が長期にわたる場合は、症状、治療内容、通院の頻度を踏まえ、実通院日数の3.5倍程度を通院期間の目安とすることもあります。

ギプス固定では入通院慰謝料は認められるの?

交通事故で骨折した場合、患部をギプスで固定されることはよく取られる処置です。

また、ギプス固定中は、入院まではしなくても自宅で家族からの介助を受けながら過ごすことはよくあります。

こういった場合において、自宅療養をしていた期間を入院期間とみなしてくれるのでしょうか?

これについては、弁護士基準では、ギプス固定中等安静を要する自宅療養期間は、入院期間とみることができるとなっています。

判例でも、右足関節を骨折したためギプス固定し自宅療養した例について、通算100日を超える自宅療養期間中、通院は10日足らずでしたが、通院慰謝料として60万円を認めています。(大阪地裁 平成13年10月26日判決)

また、ケガの部位の損傷が激しく手術までギプス固定を強いられた例で、病院のベッドの空きがないため、自宅での療養を余儀なくされた事例において、自宅療養期間を入院期間とみなして慰謝料を認めています。(東京地裁 平成17年6月21日判決 )

ギプス固定で自宅療養をした場合は弁護士に相談すべき

骨折してギプス固定がされた場合、完治するまで入院しているとは限りません。病院の都合で、3か月程度で退院・又は転院するように促される場合もあります。

しかし、家庭の都合で、転院することが難しかったり、長く入院することが難しい場合もあります。家族が入院すると面会等でどうしても家族には負担がかかります。

また、幼い子供を置いての入院だと、早く退院したいという事情を抱える場合もあります。

様々に事情により早めに退院したとしても、完治したわけでなく退院した場合は、自宅療養中も動けるわけではありません。

しかし、ご本人が保険会社と示談交渉をする場合は、入院中の期間に対してしか入院慰謝料をみとめてこないでしょう。

自宅療養中期間についても入院慰謝料を認めさせるためには、弁護士の交渉が不可欠となります。

その差は、100万円以上になることもあります。したがって、弁護士への早めの相談をおすすめします。

自宅療養と休業損害

休業損害とは、慰謝料とは別に、ケガのために仕事を休まざるを得ない場合に認められる補償です。つまり、自宅療養となった場合は、入通院慰謝料と休業損害を受け取ることができる場合があるわけです。

では、入院、通院、自宅療養による違いはあるか見ていきましょう。

まず、入院していた場合は、当然に仕事はできませんから休業損害は認められます。

次に通院していた場合については、どうでしょうか。

この場合は、ケガの程度によるでしょう。ケガの程度により、仕事ができないと判断されれば認められるでしょうし、ケガが比較的軽くて仕事に支障ないと判断されれば、休業損害は認められないでしょう。

自宅療養の場合

自宅療養期間について、休業損害を認められるかどうかは、まずは、主治医からの指示があることが前提となります。

では、就業形態による違いはあるか見ていきましょう。

サラリーマンの場合は、有給休暇を使って自宅療養すれば給料は減りませんが、この場合であっても休業損害は認められます。

自営業者であれば、自宅療養を余儀なくされたことにより減収となったことを証明することになります。

さらに専業主婦(主夫)の場合も、休業損害は認められています。この場合は、女子の労働者の平均賃金をもとに算出されます。

無職の場合は、自宅療養を余儀なくされても、仕事上の収入がもともとないのですから休業損害は認められません。

もっとも、仕事が内定していたのに、交通事故で自宅療養を余儀なくされたといったケースの場合は、休業補償が認められます。

長期の自宅療養になる場合

場合によっては、後遺障害が残り長期の療養が必要となる場合もあります。

この場合は、ずっとリハビリ型施設に入所するよりも、自宅を療養に適した環境に改修して自宅に帰りたいとお考えになられる場合もあるでしょう。

そういった場合は、どうしても改修費用が必要となってきます。

そういう時は、弁護士に相談するとよいでしょう。

弁護士基準で、保険会社と交渉して、今後の生活のための資金となる賠償金を獲得してくれるでしょう。

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