物品補償
交通事故に遭遇した場合、身体へのケガや車の損傷はもちろんのこと、車に乗せていたり、持ち運んでいたスマートフォンやパソコンといった携行品が損傷することがあります。

ここではそういった物品の補償は受けられるのか、また、補償を受けるための手続き方法について解説いたします。

損傷した物品についての補償は受けられます

任意保険での対応になります

交通事故により壊れてしまったものに対する補償は、保険会社の補償内容によります。

まず、自賠責保険は、人身事故を対象としていますので物品は補償の対象となりません。

したがって、相手方が加入している任意保険での補償を受けることになります。

具体的には、対物賠償保険が使われることになります。

補償額は過失割合によります

交通事故の損害賠償で留意しておくべき点は、過失割合という考え方です。

交通事故の場合は、一方に完全な過失がある場合よりも、両方に何割かずつの過失が存在する場合が多いのです。

そのため、物品の補償についても過失割合が適用されます。

例えば、10万円の物品が全損したとして、こちら側に3割の過失が存在するとされれば、7割分しか補償されないことになります。

交通事故との因果関係が必要です

物品に限らないことですが、交通事故での補償を受けたいと考える場合は、その物品の損傷と交通事故との因果関係を証明しなければなりません。

例えば、身体にケガをした場合も、交通事故直後に病院にもいかなかった場合、あとから痛みが出たので治療費を負担してほしいと請求しても、場合によっては交通事故との因果関係を否定される場合があります。

物品の場合も、あまり時間をおいて請求をすると、相手に交通事故以外の原因で、物品が損傷したと思われて相手にされない恐れがあります。

したがって、なるべく間をおかずに補償の請求をすることが肝要です。

そのためには、交通事故直後に、ケガや車の損傷だけでなく、携行品の損傷についても確認しましょう。

場合によっては警察官や加害者、もしくは第三者に確認してもらうことが大切となってくるでしょう。

補償を受けるために必要な情報

交通事故に限らず、一般的に物品の補償をしてもらうときは、購入金額と購入年月日の情報が必要となります。

年月日については、日にちまでは詳細に記憶していなくても、最低でも何年前に購入したかという情報は必要となります。

パソコンの補償

パソコンについては、補償の対象となる保険が多いようです。

なお、補償額は購入金額ではなく、交通事故時点での時価が保障額となります。

また、全損となり修理が不可能な場合は、買い取り金額が補償額となりますが、修理対応が可能な場合は、修理額が補償額となります。

なお、データの破損については、補償対象とならないことが通常ですので、交通事故に限らず、こまめなバックアップが大切となってきます。

こういう時のために、データをパソコン内に保存するのではなく、クラウドを利用するのも一つの方法でしょう。

スマートフォンの補償

スマートフォンについてもパソコンと同じ考え方になります。

どちらも骨董のような希少価値があるものではありませんし、次々と新製品が出てくる電化製品の一つですから、交通事故時点での時価が補償額となります。

また、修理対応可能であれば、修理費用が補償額となります。

そう考えると、購入時よりかなり低めの補償しか受けられないことになります。

自転車の補償

車と自転車の交通事故は珍しくありません。

自転車については、修理が可能であれば修理費が、買い替えが必要であれば買い替え費用が補償されます。

日常使いの自転車の場合は、比較的手ごろな値段で購入することができるものです。

一方、車との接触事故は軽い事故であっても、自転車のフレームが曲がってしまい、修理が難しい場合が多いものです。

したがって、修理費の方がかえって高くつく場合もあります。

そういった場合は、買い替えとなるでしょう。

衣類の補償

交通事故時に身に着けていたスーツや腕時計といった身の回り品についても補償の対象となります。

特にお気に入りに服であれば、交通事故の衝撃で汚れたり破れたりして着ることができなくなったときはショックが大きいものです。

但し、衣類の場合は、時価での補償となります。したがって、購入金額よりも低額となるのが常です。

バッグの補償

バッグについても補償を受けることができます。

この場合も時価での補償となります。

メガネの補償

メガネのいつもかけている人であれば、交通事故の衝撃でメガネが損傷することはあり得ますし、きちんと補償してもらわないと日常生活が不便になります。

メガネの場合は、そのほかの物品と少し異なり、人身事故の補償範囲として取り扱われる傾向があります。

つまり、補償されることには変わりないのですが、補償してくれる保険が違うということになるわけです。

物損事故であれば任意保険しか対応していないのに対して、人身事故に含まれるということであれば、まずは、自賠責保険からの補償となるためです。

いずれにせよ、保険会社の担当者に問い合わせるのがよいでしょう。

店舗や家屋、看板の補償

交通事故では車が突っ込んできて、店舗や住宅を壊されたり、看板を壊されることもあります。

こういった場合の修理、修繕費用ももちろん補償されます。

看板といった壊された物品の修理費用については、そのかかった費用が補償されます。

また、物品補償とは異なりますが、もし、営業を休まざるを得なくなった場合は、休業補償を請求することができます。

まとめ

交通事故でものが破損した場合は、基本的には補償を受けることができます。

但し、どうしても購入金額ではなく、時価での補償となるところがポイントです。

いずれにせよ、最初からあきらめる補償を受けることを諦める必要はありません。

交通事故で物品を壊されたときは、まずは、その旨を相手方に伝えて誠実に対応してもらうようにしましょう。