交通事故で示談しない場合

交通事故は示談しない方がいい?被害者が損しない示談の流れと時期

交通事故に遭った場合、示談を避けて通ることはできないでしょう。交通事故の9割以上が示談で解決している現実をみるとそう言えます。

ただし、やみくもに示談を始めればいいというものではありません。被害者にとって、有利に示談交渉を始めるタイミングというものがあります。これを知っているといないとでは、手にすることができる賠償金に大きな違いが出てきます。

そこでここでは、被害者にとって損をしないための示談のポイントと示談の流れについて解説いたします。

示談は、損害額が確定してから始めるのが大原則
示談を始めるタイミングには、大原則があります。あせらずに、損害額が確定してから始めなければなりません。

例えば、傷害事故の場合は、ケガがどの程度長引くかわかりません。保険会社の担当者に、そろそろ示談をしましょうとか、これ以上治療を続けても保険金は払えませんので打ち切りますと言われても慌てないでください。

後遺障害が残るのか否か、後遺障害の等級はどの程度になるのか、そういった点がはっきりしてからが示談のスタートです。

また、そのくらいの時期になれば、事故に遭った当初より、気持ちも落ち着き状況も見えてきて冷静に交渉できるものです。

示談は、一旦成立するとやり直しがききません。被害者の立場では、あせる必要がありませんから、大原則を心にとめておいてください。

示談を進めるときのポイント

交渉に来た人と加害者との関係を確認しましょう

示談交渉には、加害者は現れないことが多いものです。なぜなら、多くの任意保険に示談交渉代行サービスがついているからです。そのため、被害者は、保険会社の担当者と示談を進めることになります。

ただ、任意保険に入っていない人もいます。そういった場合は、加害者の代理人を名乗る者と加害者との関係を確かめて、無関係の人と示談をすることがないように気を付けましょう。

証拠を集めておきましょう

示談交渉に欠かせないのが証拠です。こちらの請求額を納得させるためには、具体的な証拠が必要となっています。したがって、医療費の領収書や収入を証明する書類などをきちんとそろえておきましょう。

交通事故に詳しい弁護士に相談に行きましょう

示談交渉は、馴れていない人がするととても消耗するものです。交通事故の被害者は、示談交渉のプロではありませんし、また、ケガの治療もあり万全の体調とも言えません。

そういった時は、第三者の協力を得ることがとても大事となってきます。

そして、それに一番ふさわしいのが、交通事故に詳しい弁護士です。相談に行ったから、必ず依頼しなければいけないというわけではありません。したがって、示談交渉に入る前に、まず一度、弁護士に相談に行くことが大切です。

示談しないと被害者側はどうなる?

交通事故の損害賠償を加害者と話し合いを裁判所外で行うことを示談と言います。つまり、裁判に訴えずに、話し合いで決着をつけることです。

では、示談や裁判をせず、そのまま放置しておくとどうなるのでしょう。損害賠償を請求するのは、被害者の権利ですから、被害者自身が権利を行使しないと考えるならばそれでもいいわけです。

そして、示談をしないと、最終的には、損害賠償請求権が時効にかかります。法律では時効は3年となっています。

つまり、被害者が積極的に請求しない限り、損害賠償というのは受け取れないわけですし、損害賠償請求が成立しないわけです。

その場合は、治療費等は自分で負担することになります。したがって、示談は必ず行いましょう。

示談しないと加害者側はどうなる?

加害者が示談に応じなかった場合は、どうなるのでしょうか?

被害者が損害賠償を請求してきた場合は、加害者がそれを放置していたからと言って、時効にかかるわけではありません。

交通事故を起こしたことは、確定しているわけですから、被害者からの示談の申し入れを放置していれば、被害者は裁判に訴えるでしょう。

その場合、通常では、損害賠償額は、示談の時より高額となるのが一般的です。さらに、裁判費用もかさみます。

また、見落としがちな点では、損害賠償金に利息が付くということが挙げられます。これは、交通事故の日から年5%の利息と決められていますので、賠償額がさらに増えることになります。

さらに、刑事処分で不利となります。交通事故の加害者は、損害賠償という民事上の責任だけでなく、刑事上の責任と行政上の責任も負うことになります。

被害者へ賠償を行っていないということになれば、刑事処分は重くなります。そういったことからも、示談の申し出があれば必ず誠実に対応するようにしましょう。

傷害事故の場合の示談のタイミング

傷害事故の場合は、入院中や通院中といった治療が続いている間は、示談を始めるには早いと言えます。

医師の判断でなく、自己判断で、もういいだろうと考えて示談を始めると、あとから後遺障害が出た場合にとても困るからです。

後遺障害が残らなかった場合は、医師から完治という診断をもらってから、示談を始めましょう。

後遺障害事故の場合の示談のタイミング

後遺障害事故の場合は、症状固定となり、さらに後遺障害等級が決まってからです。

症状固定とは、このまま治療を続けてもこれ以上よくならないという状態をいいます。

この判断は、主治医の判断を仰ぎましょう。

さらに、後遺障害は、程度ごとに等級が定められていて、どの等級に該当するかが損害賠償額を大きく左右するのです。

この後遺障害等級認定請求を、被害者がお一人でなさるのは難しいと思われます。したがって、交通事故問題に詳しい弁護士に力を借りながら、適切な後遺障害等級を勝ち取ることを目指しましょう。そのあとに、示談交渉に入りましょう。

6、死亡事故の場合の示談のタイミング

被害者が亡くなられる死亡事故の場合は、遺族が損害賠償請求を行うわけですが、この場合は、まずは、気持ちを落ち着かせることを最優先にしましょう。あせる必要はありません。

一般的に、49日と呼ばれる法要が済んだ頃になりますと、事故から2か月程度たっていますし、それくらいの時期を示談開始の目安とすればよいでしょう。

なお、死亡事故の場合は、その方が生きていて仕事を続けていたら得られたであろう利益(逸失利益と言います)の算定といった難しい問題があります。

個人を偲ぶための時間をそういった交渉に費やすのが負担と思われる方も多いと考えられます。そういった場合は、弁護士に交渉を委任するのも一つの方法です。

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