社会におけるマナーとして、お詫びの仕方というものはとても大切です。

社会常識として、他人に迷惑をかけたのであれば、きちんとお詫びをしなければなりません。

交通事故の場合は、こちらが加害者であるということがはっきりしているのであれば、被害者に対しきちんとお詫びをすべきでしょう。

しかし、中には、保険会社に丸投げの人もいます。

保険会社はお詫びもしてくれると思っている方もおられるでしょう。

ですが、保険会社は示談交渉という損害賠償の内容についてのやり取りを代行してくれるだけであり、事故を起こして迷惑をかけたという加害者の立場を代行してくれるわけではありません。

保険会社に任せているから、自分は謝る必要はないというのは違います。

たしかに、お詫びは義務とは言えませんが、被害者の感情に訴える何かがあります。

そこで、お詫びがなかったり、お詫びが適切でなかったりする場合には、被害者の感情を害し、その後の示談交渉にも大きな影響が出てきます。

したがって、被害者に対する誠意あるお詫びというのはとても大事になってきます。

お詫びに行くときの大切なポイント

交通事故の場面で、明らかに落ち度がある人は、加害者に元に出向いてお詫びをしましょう。

なおその際は、保険会社に無断で示談交渉まで進めてしまわないようにしなければなりません。そうしないとあとから困ったことになります。

したがって、保険会社の担当者と一度相談してから、お詫びに出向くようにするとよいでしょう。

例えば、加害者が約束したことと保険会社の担当者の言うことが食い違うと、被害者の感情を逆なでする恐れがあるからです。

まずは、謝罪の気持ちを伝えて、具体的な話は進めないようにしましょう。

一方、過失割合が5分5分と考えられるような場合は、拙速なお詫びは控えた方がよいでしょう。

この場合は、どちらにも過失があり、どちらが加害者であるかということが判然としないからです。

こういった場合に、お詫びをしてしまうと、後の示談交渉によくない影響が出てきます。

自分では、判断がつかない場合は、保険会社の担当者に相談するとよいでしょう。

具体的なお詫びの仕方

お詫びに伺うタイミング

被害者と加害者がはっきりしていて、お詫びに伺うべきケースであると言えるのであれば、あまり時間を置かない方がいいでしょう。

時間をあければあけるほど、相手の心証は悪くなります。

出来ればその日のうちに伺いましょう。

もっともあまりに夜遅くなりすぎるとかえって迷惑ですから、夜8時頃までには、お詫びに伺いましょう。

もし、夜に起こした交通事故であれば、次の日の昼前までには、お詫びに伺うべきでしょう。

一人で行くべきか、同行を誰かに頼むべきかという問題ですが、交通事故のお詫びに伺うことは、慣れてない人にとっては、なかなか難しい場面と言えます。

罪悪感から安易に約束をしてしまうと、かえって事態をこじらせてしまうことになりますから、経験豊富な保険会社の担当者に同行を依頼するのも一つの方法でしょう。

持参する物は?

お詫びは気持ちだといっても、ことに交通事故でのお詫びの場面では、手ぶらで伺うのは避けましょう。

何も大げさなものでなくてもいいのです。必ずお詫びの品を持参しましょう。

被害者の年齢が上の方であれば、特にそういった点での配慮が必要です。

そういったところで、こちら側の誠意や常識の度合いなどを推し量っている場合があるからです。

定番の品と言えるのは、地元で名の通ったお店の菓子などがベストでしょう。

金額は、1万円以下でよいでしょう。あまりに高額の品ですと、相手が受け取らないこともあり得ます。

お詫びの気持ちを具体的に形に表して、なおかつ相手への気持ちの負担を与えないものがいいでしょう。

手土産を渡す場合は、紙袋から出して、きちんと両手でお渡ししましょう。

適切なお詫びの言葉は?

いくら急いでお詫びに伺っても、きちんと言葉にしてお詫びの気持ちを伝えなければ、気持ちは伝わりません。

ただ、誰でもがすらすらとお詫びの言葉を述べることができるわけではありません。

一般的にお詫びの場面というのは、気づまりなものです。

基本的なお詫びの言葉に、自分なりの言葉を添えるという気持ちでいればよいでしょう。

基本的なお詫びの言葉は、次のようなフレーズになります。

「この度はご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんでした。」

「○○様のおけがの具合はいかがでしょうか」

「賠償については、保険会社の方と連絡と取っておりますので、誠実に対応させていただきます。」

「これは、せめてものお詫びの気持ちでございます。(手土産を出す)どうぞお納めください。」

「本当に申し訳ありませんでした。」

「失礼いたします。」

上記のような流れで、お詫びの気持ちを伝えればよいでしょう。

ポイントは、損害賠償については、保険会社と対応していくということを伝えることです。

被害者というのは、たいてい怒っているものですし、具体的な賠償の約束をその場で求めてくることがあるかもしれません。

しかし、加害者が独断で具体的な賠償内容に踏み込むことはしてはいけません。

それが、今後の示談交渉をスムーズに進めるポイントです。

お詫びに伺う回数

お詫びに伺う回数は、決まっていませんが、通常は何回もする必要はないでしょう。

ただし、被害者が長期で入院や治療をしている場合は別です。

長い期間の治療に励んでいる被害者の立場からすると、一回お詫びに来ただけでそのあとはなしのつぶてだと感じる場合もあります。

したがって、折に触れて、お見舞いに伺う方がよいでしょう。

お詫びは、なかなか難しいものです。

しかし、きちんとお詫びをしておくことで、気持ちの整理も付きますし、そのあとの示談交渉できちんとした交渉を進めることができるものです。

お詫びの仕方がわからないということであれば、保険会社の担当者に遠慮なく相談するとよいでしょう。

加害者自身がきちんとお詫びをしてくれないと、保険会社の担当者としても、示談交渉が進めにくくなりますから、加害者からの相談を迷惑に思う担当者はいないでしょう。

きっと相談に乗ってくれることでしょう。