自動車保険等級が下がる

自動車保険の特徴として等級制度が挙げられます。これは、生命保険や医療保険といったその他の身近な保険とは大きく異なる自動車保険ならではの仕組みです。

交通事故を起こして相手への賠償のために保険を使った場合、自動車保険の等級が下がって、翌年の保険料が上がる仕組みになっています。

ここでは、交通事故で保険を使った場合にどれだけ等級が下がるのかについて解説いたします。

等級制度の意義

自動車保険には、事故を起こす確率の高いドライバーには、高い保険料を課して、反対に事故を起こす確率が低いドライバーには安い保険料となるように等級制度が取り入れられています。

では、自動車保険になぜ等級制度があるのかということですが、これは保険加入者間の公平性を保つためです。

交通事故を起こす確率が高いということは、保険金の支払いを受けることが高いということです。

事故を起こしたときに支払われる保険金は、自動車保険に入っている加入者が支払っている保険料から支払われています。

それなのに保険料が同じというのは、安全運転を心がけて交通事故を起こす確率が低いドライバーから見て不公平と言えます。

具体的には、自動車保険に加入した後の交通事故の履歴をもとにして等級を設け、その等級に応じた割引率または割増率を掛け合わせて保険料を決定します。

この仕組みを「ノンフリート等級別料率制度」と呼んでいます。

これは、新規契約時は6等級からスタートし、一年間無事故で保険を使わなかった場合は、翌年更新の際に1等級ずつ上がっていくという制度です。

つまり翌年には7等級になるわけです。最大では20等級まで上がります。

一方、事故を起こして保険を使うと等級が下がります。翌年は3等級に下がるわけです。等級は保険料の割引率に連動していますので、次年度から保険料が上がります。

このように、保険加入者の視点から見ると、交通事故を起こしたときは、保険金を受け取ることができるわけです。

しかし、自動車保険にはそのまま加入しておく必要がありますので、保険料が跳ね上がるという関係性があります。

したがって、軽微な事故では保険を使わない方が、金銭的な面ではトクになることがあります。

自動車保険を使う事故は、大きく分けて3種類あります

交通事故は、保険の等級から見ると大きく3つに分けることができます。

ダウン事故・・・事故1件につき3等級下がる事故

1等級ダウン事故・・・事故1件につき翌年の等級が1等級ダウンする事故

ノーカウント事故・・・事故としてカウントされず等級は変わらない事故

3等級ダウン事故

3等級ダウン事故とは、人身事故や物損事故などをいいます。一般的に、交通事故と言えばこれらの事故をイメージなさるでしょう。

これらの事故を起こして保険金の支払いを受ければ、次の年の等級は3つ下がります。たいがいの交通事故は、3等級下がると考えてよいでしょう。

運転中に人をはねたり、不注意で車をこすったり、ガードレールを壊したりといった場合がこれにあたります。

1等級ダウン事故

1等級ダウン事故とは、保険を使った場合、翌年の等級が1等級下がる事故のことを言います。

  • 車の盗難や落書き
  • 火災や爆発
  • 水害・竜巻・台風・洪水などにあった場合
  • その他、走行中に飛来物が当たり窓ガラスを破損した場合など、運転者に過失がない場合がこれにあたります。

以前は、等級据え置き事故と呼ばれ、これらの原因で保険を使っても、翌年の等級には影響がなかったのですが、2012年10月の自動車保険の等級制度の改定によりこれが廃止されました。

したがって、これらの保険者に過失がない原因での事故で保険を使った場合でも、翌年から保険料が上がってしまうことになります。

ノーカウント事故

ノーカウント事故とは、事故としてカウントされないため、翌年の等級に響かない事故のことを言います。

例として、次のいずれかのみに該当する事故、あるいは、以下の組合せのみの事故の場合が挙げられます。

  • 搭乗者傷害保険―自分の車に乗っていた搭乗者のケガを補償
  • 人身傷害保険-搭乗者や歩行中の事故の補償
  • 無保険車傷害特約-相手が無保険車だった時の補償
  • ファミリーバイク特約-原付バイクの事故を補償
  • ファミリー傷害特約-家族の入院や通院を補償

保険会社によって、ノーカウント事故となるものは異なります。傾向として、対人や対物保険や車両保険以外の保険はノーカウント事故となることが多いと言えます。

このように、自動車保険は、保険金を請求したら必ず等級が下がるわけではなく、使う保険や事故の種類によって扱いが変わります。

自己判断で等級が下がるから請求しないということがないように注意しましょう。

保険を使うかどうかの判断

自動車保険に加入している人が、交通事故を起こして保険を使うと、ノーカウント事故を除いて翌年から保険料が高くなることになります。

そうしますと、比較的軽微な事故の場合は、保険を利用せずに、自費で修理をした方が金銭的な面で安上がりになる場合があります。

等級が3つも下がると、元の等級になるには、3年かかります。等級は年1回しか変更されないからです。

したがって、保険の請求を行うかどうかは、受け取れる保険金と今後の保険料のチェックも欠かせません。

さらに、保険料が安い通販の自動車保険では、保険を2回使うと、保険の更新を拒否されることが多いのです。安い保険の仕組みとして、事故を起こすリスクが高い人は加入を拒否しないと保険が成り立たないからだと推測されます。

そうすると他の保険に加入しなおさなければならなくなり、保険料も上がるでしょう。

もし、保険の更新を拒否されなくても、補償内容に制限がつくことが考えられます。

では、それぞれの金額はどうやったら知ることができるのでしょうか。

交通事故の連絡を保険会社にすると等級が下がるの?

交通事故の連絡を保険会社に連絡しても、それだけでは等級が下がることはありません。

あくまでも保険金の請求をした場合に限られます。

一般的に任意保険では、交通事故を起こした場合、速やかに連絡をするように約款で保険者に義務付けています。

約款とは、保険会社と保険加入者との間のルールのことです。

また、自己判断で計算した費用より高額な費用が掛かる場合もありますし、交通事故を起こしたら速やかに保険会社に連絡しましょう。

そして、保険会社に保険金と今後の保険料の計算をしてもらってから、保険を使うかどうかを判断すればいいでしょう。

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