スマートフォンは、通話もできますし、調べ物もできるとても便利なものです。

そのため、ついつい運転中も操作したり、かかってきた電話に出てしまったりする人もいるでしょう。

しかし、車を運転中にスマートフォンを含む携帯電話で通話したり、メールやラインをしたりして画面を見ているのは、注意力がそがれてしまい危険ですし、道路交通法違反でもあります。

法律違反と言うことは、反則金や点数が課されると言うことです。

さらに、スマホ運転をしていて交通事故を起こした場合は、過失割合についてはどうなるのでしょうか?

ここでは、スマホ運転中に交通事故を起こした場合の過失割合などについてみていきます。

スマホ運転中に物損事故を起こした場合

物損事故の場合は、刑事罰は用意されていません。

しかし、相手方の物品を損壊したならば、賠償しなければなりません。賠償について示談をする際は、過失割合について話し合われます。

スマホ運転していたことが明らかならば、著しい過失があったとして、過失割合が10パーセント程度加算されることになるでしょう。

スマホ運転中に人身事故を起こした場合

一方、人身事故の場合は、どうでしょうか。

人身事故というのは、物損事故と違い、人を死傷されることになった交通事故のことを言います。

人身事故については、平成26年5月20日より「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称:自動車運転死傷処罰法)」が施行されました。

つまり、危険な運転をした場合についての処罰を定める法律が新たに制定されたのです。

これが定められる以前には、刑法の自動車運転過失致死傷罪と危険運転過失致死傷罪が、適用されて処罰されていただけですので、より実態に即した厳しい処罰が行われるようになったわけです。

スマホ運転は、危険運転にあたります

このように、危険な運転を厳罰化する傾向は強まっているといえます。では、スマホ運転は、危険運転罪の適用になるのでしょうか?

これについては、法律の中で危険運転・準危険運転とされる場合が類型化されています。

これによると、スマホを含む携帯電話を使用しながらの運転だけで処罰されることはありません。

しかし、ながらスマホをして運転していて、人身事故を起こせば、重大な過失があったと見なされることになります。

つまり、スマホ運転をしていた方の過失割合が、修正されて過失割合が上がるのです。

例えば、Aの過失割合が30、Bの過失割合が70と言う場合、Aがスマホ運転をしていたとすれば、Aに著しい過失があったと言うことになり、過失割合が40対60に修正されることになります。

もっとも、必ず10パーセントアップで修正されるわけでなく、そこは、総合的に判断されます。

事案 信号機のない交差点における、「スマホ運転」の車と車との事故

信号機のない同程度の道幅の交差点にて、交差点を直進した「スマホ運転」の自動車と、交差点を直進した車が同程度のスピードで衝突した事故の場合

【過失割合】

A(「スマホ運転」の車):B(車)=50:50

【詳しい説明】

信号機がなく同程度の道幅の交差点において、交差点を左側通行で直進したA車と、A車の右側から直進した車との事故の場合、一般的な過失割合はA:B=40:60となります。

基本割合に加えて、A車のスマホ運転が、著しい過失となりますので、過失割合の修正要素として考慮されます。

そのため、A車側に10パーセントの過失割合が上乗せされます。

Aの損害額が、1000円万円だったとして、基本の過失割合ならば、600万円の損害賠償が受けられますが、スマホ運転をしていたならば、500万円の賠償しか受けられないことになります。

このように、スマホ運転は、過失割合に大きな影響を与えることをお分かりいただけたかと思います。

スマホ運転は犯罪にあたるとの認識を

交通事故は、いったん発生してしまうと、重大な結果を引き起こします。

被害者は大きな被害を受けてしまいますが、加害者も一瞬の気の緩みで大きな賠償を背負うことになります。

ほんのちょっとだからという気の緩みが、大きな事故を起こす引き金となってしまいます。

スマホ運転は、安全運転義務違反という認識を持ち、便利なスマホを安全に取り扱いたいものです。

それは、一人一人の意識向上にかかっています。

スマホ運転の交通事故に巻き込まれたときは、一人で悩まずに、交通事故問題に強い弁護士に相談なさることをおすすめいたします。

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